プルリアルの副作用とは？起こりやすい反応やリスク軽減について解説

美容医療において注入製剤を検討する際、多くの人が気になるのが副作用やリスクです。

プルリアルは比較的新しい製剤で日本国内の導入例も増えていますが、副作用について不安な方も少なくありません。

この記事では、プルリアル施術で起こりやすい反応やリスクを左右する要因、リスクを軽減するためにできることについて解説します。

プルリアルの副作用や施術前・施術後の注意点を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

プルリアルとは

プルリアル（プルリアルデンシフィア）は、ポリヌクレオチド（PN）やヒアルロン酸を主成分とした注入製剤のシリーズです。

ヨーロッパで開発され、日本の美容皮膚科でもシワや肌質改善の目的で導入されています。

プルリアルの特徴

プルリアルは、人それぞれのお悩みに応じて、柔軟に使い分けが可能な点が特徴です。

主に3つのシリーズが展開され、以下のような目的別に選択されます。

プルリアルデンシファイ（PN＋非架橋ヒアルロン酸＋マンニトール）	顔全体のハリ・弾力不足乾燥・小ジワ・赤みなどの肌質改善首やデコルテ、手の甲のシワ改善
プルリアルシルク（PN）	目の周りのシワ・くすみ・クマ口周りのシワ・ストレッチマーク妊娠線・瘢痕の改善
プルリアルバイオスカルプチャー（高・中・低分子のヒアルロン酸）	フェイスラインのたるみや輪郭補正首や手の甲のボリューム不足顔の深いシワ

主にこのような適応とされていますが、医師の診断のもと使用製剤や量、注入部位を慎重に判断します。

プルリアルの成分

プルリアルのなかでも、幅広いお悩みに対応可能なデンシファイは、大きく3つの成分から構成されています。

【ポリヌクレオチド（PN）】サケ由来DNAを精製した核酸断片。皮膚の水分保持や弾力を整える作用があると研究されている。
【非架橋ヒアルロン酸】高い保水力をもち、注入部位のうるおいを保つ・ボリュームを補う役割をもつ。
【マンニトール】糖アルコールの一種で、高い抗酸化作用をもつ。酸化ストレスから成分を保護し、ヒアルロン酸の安定性を高める。

これらの成分を独自に配合し、相乗効果を狙うことにより、肌質改善効果が期待できます。

製造工程でタンパク質を除去しているため、生体整合性が高く、アレルギー反応が起こりにくいのも特徴のひとつです。

ただし、PNはサケ由来の成分のため、魚・魚卵アレルギーの方は施術ができない可能性があるため、事前に医師に相談が必要です。

プルリアルが向いている方

プルリアルは、以下のようなお悩みをもつ方に向いている製剤です。

顔全体のハリを整えたい
時間をかけて肌の質感を整えたい
目や口周りの小ジワが気になる
目の下のクマやくすみが気になる
ニキビ跡や肌の凹凸を改善したい
顔のボリュームが減ってきた

プルリアルは即効性よりも、徐々に変化を実感し、自然な肌質改善を目指す目的で使用されます。

ただし、効果の出方には個人差があり、生活習慣や代謝速度によって持続時間も異なります。

そのため、カウンセリングで医師とよく相談し、自分の目的に適した施術計画を立てるのが重要です。

プルリアルの副作用

プルリアルの副作用は、多くは一時的なものですが、まれに長引いたり遅れて出たりするケースもあります。

ここでは、施術後に起こる可能性のある副作用について解説します。

一過性の副作用

プルリアル施術後によく見られるのは、腫れ・赤み・内出血・かゆみ・圧痛など、軽度の症状です。

皮膚の薄い部分への注入の場合、ボコッと出ているように見えて不安になるかもしれませんが、注入治療では通常見られる症状です。

内出血は紫色から肌の色へ徐々に変化していき、メイクでカバーできる程度のことが多いでしょう。

これらは注入に伴う組織反応で、多くは数日〜1週間ほどで落ち着きます。

腫れや赤みが強い場合は冷却で和らぐ場合もあるため、医師の指示に従い強く押し付けず、優しく冷やすようにしてください。

一過性の副作用は注入治療全般に共通する症状ですが、プルリアルはダウンタイムが短いとされています。

まれに起こる副作用

プルリアルの副作用としてはまれですが、しこりや注入部位の左右差、血管閉塞などが起こる可能性もあります。

これらの症状は、製剤の質感や注入の層が浅い場合に見られやすい傾向があります。

また、施術方法や医師の技術により起こることもあるため、事前にリスクについて確認が必要です。

軽度であれば経過観察をしながら、今後の計画を検討していきます。

しかし、長引く場合や症状が強い、回復傾向が見られない場合は、医師に相談して適切な処置を受けるのが重要です。

特に強い痛みや皮膚が白っぽい・紫色になるなどの症状は、血管閉塞のサインの可能性があります。

放置すると視覚障害や脳への影響が出る恐れがあり緊急性が高いため、すぐに医療機関を受診してください。

遅れて出る副作用

プルリアル施術直後ではなく、数週間〜数か月後に、炎症や化膿のような反応が起きることも考えられます。

しかし、他のさまざまな注入製剤における可能性もまれであり、プルリアルでは一般的な副作用ではありません。

プルリアルは、遅れて出る副作用は非常にまれとされています。

ただし、注射による治療である以上可能性がないとは言い切れず、万が一注入部位に異常が見られた場合は、すぐに医師に相談してください。

アレルギー・過敏反応

プルリアルの成分は生体適合性が高いとされていますが、アレルギーや過敏反応が起こる可能性もあります。

プルリアルは製造工程でタンパク質を除去していて、アレルギー反応が起こるリスクは低いとされています。

ただし、主成分であるPNはサケ由来の成分のため、魚・魚卵アレルギーのある方は注意が必要です。

また、ヒアルロン酸アレルギーやほかの過敏症も考えられるため、カウンセリング時に既往歴や服薬などを必ず医師に伝えましょう。

プルリアルの副作用のリスクを左右する要因

プルリアルの副作用は、成分だけでなく他の要因でリスクが左右されることも考えられます。

ここでは、副作用のリスクを左右する可能性がある要因について解説します。

成分による違い

プルリアルには、PN主体のデンシファイ・シルクと、ヒアルロン酸主体のバイオスカルプチャーがあります。

PNを主成分とするシリーズは、肌の質感改善を目的に設計され、数週間〜数か月かけて肌質やお悩みの改善をサポートします。

副作用は比較的軽く、効果の出方も穏やかな傾向がある製剤です。

一方、ヒアルロン酸製剤は、水分保持やボリュームを補う効果が期待できます。

副作用として、しこりや過剰な注入によるトラブルなどが挙げられ、場合によってはヒアルロニダーゼという酵素で分解する処置が可能です。

プルリアルに含まれる成分は、身体に長く留まるものではなく、体内で代謝され吸収・排出されます。

速度には個人差があり、持続時間や副作用の出方も異なるため、自分の目的と体質に合った選択をすることが大切です。

注入部位

注入部位によっても、副作用の出やすさが異なる場合があります。

例えば、目の周囲は皮膚が薄く、注入した成分が透けて見える「チンダル現象」が起こりやすい部位です。

また、鼻や唇などは血管が多いため、内出血や腫れが目立ちやすい傾向があります。

頬やフェイスラインのように、比較的厚みのある部位はボリューム補正が行いやすい反面、むくみが長引くこともあります。

部位ごとのリスクを理解したうえで、適切な注入層を選ぶことが、副作用のリスクを軽減するポイントです。

施術方法

プルリアルには複数の施術方法があり、それぞれに特徴とリスクがあります。

方法	特徴	リスク
手打ち注射	細かい調整が可能デザイン性が高い	注入速度・量・層により反応が強く出る可能性がある
水光注射	浅い層に均一に注入できる	点状出血や赤みが出やすい
ターゲットクール（ブースティングモード）	薬液を氷の針にして注入する痛みを和らげる工夫がされている	寒冷アレルギー、感覚鈍麻、軽度の凍傷などの可能性がある

いずれの方法も、副作用を完全に防ぐことは難しいですが、医師の技術や事前の準備により、リスクを軽減することは可能です。

どの方法が適しているかは、医師とよく話し合い、目的に応じて選択しましょう。

個人差によるもの

副作用のリスクは、体質や体調によっても影響されるものです。

代謝が早い方は製剤が早く分解されやすく、その分腫れや赤みの収まりも早く、効果の持続時間も短い傾向があります。

代謝が遅い方は持続時間が長い反面、むくみや腫れが比較的長引く可能性が高まります。

また、免疫が低下していると炎症が強く出る場合があるため、体調管理が大切です。

服薬中の薬や既往歴によっては、慎重に対応する必要があるため、カウンセリングで健康状態を正確に伝えることがリスク低減につながります。

他の施術との併用リスク

プルリアルの施術後、レーザー治療やピーリングなど、刺激の強い施術を続けて受けると、副作用が強まる可能性があるため注意が必要です。

肌への負担が続けてかかると、炎症や色素沈着のリスクが高まる可能性があります。

そのため、他の施術を受ける際は、間隔を十分空けることが推奨されます。

併用を希望する場合は、施術歴や希望のスケジュールを医師へ伝え、肌の状態に応じて適切な順序と間隔で計画を立てることが重要です。

プルリアルの副作用のリスクを軽減するためにできること

プルリアルの副作用をゼロにすることは困難ですが、施術前後の準備や生活習慣の工夫によって、発生頻度や程度を軽減することは可能です。

ここでは、自分でできる具体的な注意点について解説します。

施術前の準備

施術を受ける前には、カウンセリングで医師と十分に話し合うことが大切です。

体調や既往歴、服薬状況、生活習慣、アレルギーなど、正確に伝えましょう。

妊娠中・授乳中
アスピリン、抗凝固薬の服用中
皮膚がんの治療中、既往歴がある
ヘルペスの治療中
魚・魚卵アレルギー

これらに当てはまる方は、プルリアル施術を受けられないことがあるため、注意が必要です。

このほかにも、全身疾患がある方は、慎重な判断が必要な場合もあるため、医師の指示に従いましょう。

また、施術の目的や仕上がりの希望を明確に伝え医師と共有することで、適切な製剤選びや注入方法の判断がしやすくなります。

施術後の過ごし方

プルリアルの施術後は、アフターケアを行うことが副作用リスクの軽減につながります。

長時間の入浴やサウナ、激しい運動、過度な飲酒など、血流を促進するような行為は控えましょう。

腫れや内出血を悪化させる恐れがあるため、注意が必要です。

施術部位に刺激を与える行為も避け、洗顔は優しく行う、メイクは翌日以降など、医師の指示に従ってください。

紫外線による色素沈着を防ぐためにも、日焼け止めや日傘、帽子などで日光を遮断する対策をすることも推奨されています。

施術後の敏感な肌には刺激の強いスキンケア用品（ビタミンCやレチノールなど）を使用せず、優しい成分のものを選び十分な保湿を行いましょう。

トラブル時の対処法を知っておく

施術後に強い痛みや腫れ、熱感、色の変化など、通常と違う反応が見られた場合は、自己判断せず早めに医師へ相談することが重要です。

異変を感じたときは、症状の出方や時間、進行具合を記録し、写真を撮っておくと診察時に役立ちます。

また、トラブルが起きたときにどう対処すればよいのかを、事前にクリニックへ確認しておきましょう。

緊急時の判断や連絡先などをあらかじめ把握しておくことで、いざというときに冷静に行動する助けになります。

信頼できる医療機関を選ぶ

副作用のリスクを抑えるためには、施術を受ける医療機関の選び方も大きな要素となります。

経験豊富な医師やカウンセリングで丁寧な説明があるかなど、自分の判断基準をしっかりもちましょう。

アフターケアの体制も、事前に確認しておくべきポイントです。

価格だけではなく、実績や説明の内容などを含め、信頼できるかを見極めることも、副作用のリスクを軽減するために必要な視点です。

まとめ

プルリアルの副作用は、一時的な腫れや赤み、内出血が多いですが、まれに遅れて出てくる炎症やアレルギーまでさまざまな可能性があります。

副作用のリスクがあるかは、成分や施術方法、体質などの要因で異なるため、一概には言えません。

施術前後の準備や過ごし方、医師への相談を徹底することが、リスクを防ぐ助けになります。

プルリアルの施術を検討する際は、副作用について理解し、医師とよく相談しながら自分に合った施術方法を選択することが大切です。

BIJOU CLINICは、プルリアルデンシフィアを導入し、シルクは手打ち注射、デンシファイは水光注射・ターゲットクールの注入方法も選択できます。

患者様のお悩みに合わせ、丁寧なカウンセリングのうえで、一人ひとりに合った治療をご提案いたします。プルリアル注入を検討されている方、副作用が心配な方は、ぜひBIJOU CLINICへご相談ください。